- 稲舟の
- いなぶねの【稲舟の】(1)同音の「いな(否)」を引き出す序詞。
「最上川上れば下る~いなにはあらずこの月ばかり/古今(東歌)」
〔枕詞とする説もある〕(2)〔「稲舟のいなにはあらずしばしばかり」という慣用表現から〕(ア)条件付きの承諾の意。 承知したがしばらく待ってほしい。「せうそこつかはしける女のもとより~といふことを返事にいひ侍りければ/後撰(恋四詞)」(イ)「しばし」を引き出す序詞のように使う。 「如何せむわが身くだれる~しばしばかりの命たえずは/拾遺(雑下)」
Japanese explanatory dictionaries. 2013.